微生物・植物の
生産性を向上させる
植物の成長を促す
土壌細菌の農業応用
植物は根から様々な物質を吸収して成長します。一方で植物は根からショ糖やアミノ酸などを積極的に分泌していて、細菌を中心とする微生物が活発に増殖しています。その土壌細菌の中には植物の成長を促したり、抗生物質を生産して植物を病原菌から守るようなものも存在します。そこで、私たちのグループでは、根の周囲で増殖し、植物にとって有益な効果を示す土壌細菌を単離し、それらを農業生産に応用することを目指した研究を行っています。
作物への養分供給に
はたらく土壌微生物の役割
土壌中の微生物は自らの体の中に、窒素、リン、カリウムなどの植物養分を蓄えるとともに、それらを放出し作物に供給する重要な役割を果たしています。私たちはこれらの土壌微生物のはたらきを明らかにし、作物の生産性の向上に役立てるための研究を行っています。
新奇酵素や新奇代謝経路の
有用物質発酵生産への応用
現在、有用化学物質を石油資源からの有機合成ではなく、微生物による発酵生産で合成しようとするホワイトバイオテクノロジーに期待が集まっています。我々は、自分たちが発見した酵素や代謝経路をホワイトバイオテクノロジーによる有用物質生産に応用することで、高効率かつ持続的な物質生産を目指した研究を行っています。
・応用酵素学研究室
翻訳を効率化し、
タンパク質をたくさん作る
様々な化学反応を触媒する酵素や、狙った分子にだけ結合する抗体は、研究や産業の発展に欠かせないタンパク質です。タンパク質は、DNAからmRNAへの転写、mRNAをリボソームが読み取ってアミノ酸を繋ぐ翻訳を経て作られます。私たちは、タンパク質の生産性を向上させるために、主に翻訳を効率化する技術開発や機構解析を行っています。
開花や結実を制御する
しくみを明らかにする
害虫にかじられた植物が防御応答を発動する際に働く植物ホルモン・ジャスモン酸。そのジャスモン酸にはつぼみを開花させる開花ホルモンの働きがあり、さらに種子の発達も制御することがわかってきました。多彩な働きをもつジャスモン酸の研究を通じ、開花や結実を制御する技術の開発に取り組んでいます。
・生物化学研究室
植物の成長を操る
情報分子を理解する
日頃何気なく眺めている植物の成長ですが、その体内ではさまざまな情報を担う分子が細胞と細胞の間や、根と葉の間を行き来して連絡を取り合うことで全体の成長バランスが崩れないようにしています。私たちはこの情報分子の実体と情報を伝える仕組みの理解を通じて、植物生産を向上させる基盤技術の開発研究に取り組んでいます。